学習障害の子どもを支援していくには、いろいろな方法や手段がありますが、現在一般的な手順を紹介します。
何よりも最初に、『①学習障害(LD)の検査』を受けます。検査は3種類あり、医学的検査では、脳波検査やMRIなどの脳の病気が他にないかを調べます。
続いて、心理的検査として、全体的な知能の発達の遅れやバラつきがないか、最後に教育的観点から 、教科間の学力や、その差、得意と苦手の差などを考慮します。
「読み書きスクリーン具検査STRAW-R」、「読み(正確性・読解)の習得検査のKABC-Ⅱ」、「特異的発達障害ー診断・治療のための実践ガイドライン」などの検査もあります。
以上、様々な検査がありますが学習障害の診断はとても難しいと言われています。
検査の後に、(実際は検査の前のことも多いですが)『②こどもの「困り」「認知のクセ」「やる気」』を把握します。こどもが「どこで」「どのように」つまづいてしまい、困っているかを正しく把握します。この理解を参考にして、こどもの「認知のクセ」を検証します。この際、1人の指導者だけではなく、複数の指導者で検証することが重要です。
そして、『③ 勉強嫌いなのか、認知のクセで理解できないのか、興味関心が低いのか』を考察していきます。
その考察を元に、『④ 支援者による「支援計画」の立案と実行』の順番になります。この部分が最もアクティブな活動になるでしょう。順番としては、以下の流れになります。
保護者と担任による「面談」→「教育センター」での相談 → 各種検査→「校内委員会」で支援の方法を組織的に検討 → 担任や特別支援教室教諭(東京都の場合)による「連携型個別支援計画の立案」
上記の支援計画は、保護者に開示します。
そして、支援活動が始まったら、計画的にアセスメントを行います。それにより、支援内容や支援計画を再考して変更します。この一連の活動をPDCAサイクルにのっとって継続していきます。
以上が教育指導者向けの支援の手順となります。