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学習障害について知る ③(書字障害、学校での合理的配慮の様子)

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前回は、書字障害の特徴とその支援方法について書きました。今回は、書字障害の子どもの学校での授業にについて話をしたいと思います。

子どもは学校で毎日授業を受けます。一日6時間の授業のうち、少なくとも半分以上は黒板等を使った授業が現実となっています。現在は電子黒板やタブレット一人一台が浸透しつつありますが、地域、学校、教員1人1人の考え方によって、授業方法は千差万別です。

学校現場は大昔と比べると校長をトップとしたトップダウンの形をとっているものの、よっぽど力のある校長の学校でない限り、授業方法は教員1人1人の裁量となっています。これ自体は個人的には評価できるところではありますが、書字障害のある子どもにとっては、実はこの現状がやや、やっかいな問題の背景を形成しています。

現在も、従来のように黒板を使ってチョーク&トークと呼ばれる方法で授業をする教員も半数近くはいるようです。(東京都教員時代の私の感覚的な知見によります。)それら教員の中には、黒板の内容をノートに書き写させる指示を出す教員も一定数います。賛否両論もありますが、指導方法が教員の裁量に任されているので、それを否定することはできません。やっかいなのは、障害が理由で、授業の時間内に書き取れない生徒に対する教員の対応です。

この「多様性」が叫ばれ、「発達障害」による「合理的配慮」の概念も浸透しつつあるこの社会にもかかわらず、個別に対応することができない教員も残念ながら一定数います。例えば、書字に関して「困り」を抱えている子どものために、ノートテイク(板書)以外の方法を許可せず、一律の手段しか認めない教師がまだいます。また、黒板をタブレットで撮影することを認めない教師もいます。ベテランの先生の方が多い傾向がややあるものの、新人の先生でもいます。ただ、これらの先生が決して悪いと言っているのではありませんが、残念な思いです。

目が悪い人が眼鏡をかけるように、足をケガした人が松葉杖を携帯するように、字を書くことに困難さを抱える子どもには眼鏡や松葉杖のようなサポートの器具や方法が与えられるべきです。

前書の教員が個に応じた対応を取れない理由は様々ですが、私が思うに、①従来のやり方を変えたくない、変えるのが面倒だから、②自分の指導力に自信がない、③その子どものことを「怠けている」、「やる気がない」生徒であると考えている、④学校全体の「特別支援教育」や「障害による合理的配慮の重要性」、「インクルーシブ教育」への知識や意識が低く、広くその考えや実践が浸透していないから、⑤校長の「特別支援教育」に対する理解が足りないから、⑥学校内の特別支援教育委員会が十分に機能していない、などが考えられます。

一昔前よりも、大分「特別支援教育」に対しての理解が進んできたとは思いますが、実際は学校関係者が期待するほど進んでいないと私は思います。まだまだ、教育界全体や学校全体での「特別支援教育」に対する深い理解と具体的な実践が必要です。特別支援学級や特別支援学校を経験したことのない教師は早い内に、それらの教育現場を経験するのが望ましいです。通常学級に再び戻ったとしても、それらの経験が通常学級で発達に支援が必要な生徒だけでなく、定型発達児に対してさえも、そこで培った教育指導のスキルは必ず有効に発揮します。

そこで、「書字障害」のお子様や、その保護者の方で、上記のような対応しかしてくれず、個別の対応をしてくれないときに以下のようなアクションをとってみてはいかがでしょうか。(①から順番に進めることをお薦めします。)

①まずは、担任に「困り」について相談する。特定の教科で困っていることを伝え、その教科の先生に何らかの「合理的配慮」をしていただけないかお願いする。(事前に、地域の教育センターに行って、保護者と子どもの面談や検査をしてもらってからが理想です。)②それでも対応がなければ、教科の先生に直接会って、子どもの「困り」を説明し、良い方法を考えてもらう。③それもダメなら、学年主任、特別支援教育コーディネーターの順で話す。④副校長、校長の順に話す。⑤最後は、地域の教育委員会の指導主事に相談する。ここまで行けば、ある程度の対応をしてもらえるでしょう。

また、学校に話をする際、もしも他校での実践例を知っていれば、「近隣の学校では○○のような個別の対応をしていると聞きました。」などと言うと、対応の仕方やスピードも違ってくるでしょう。

また、定期試験入試での対応は更にデリケートで難しい問題となります。これについては次回、お話します。

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