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放デイ・生き残る方法⑥ (土日祝日営業がかえって離職防止に役立つ!!)

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 福祉施設の人手不足は顕著なものがあります。ここのところの放デイにおける児発管や保育士の採用は極めて厳しい状況で、児発管が採用できずに半年以上も減算という事業所もよく耳にします。保育士や児童指導員の採用も、非常勤の採用であっても、数ヶ月見つからずに営業ができない日がある事業所もあるほどです。

 人手不足は今後も続くことでしょうし、この状況をどのように進んでいけばいいのでしょうか。その方法はいくつかありますが、今回は「土日祝日営業」とその思わぬ効用について話していきたいと思います。

 ただでさえ人手不足ですから、事業所を「平日のみの営業」にしている放デイも多いと思います。従業者のメンタルや働きやすさを考えると、その選択には一理あります。しかし、実際に私は顧問先の放課後等デイサービスを毎月訪問して、事業所の職員の方々と話をして「平日のみの営業」のデメリットも意外にも大きいように考えるようになりました。

 では、その人手不足(人材確保困難)の状況における「平日のみ営業」のデメリットとは一体何でしょうか。一つ目は、職員の「働きにくさ」にあります。「平日のみの営業」にすることで、職員の数は相対的に少なくなります。そうすると、職員が希望する日に有給を取りにくくなります。そのような状況では、周囲の職員も同じように希望する有給をとりにくいわけですから、周囲を過剰に気にする日本人の多くは、普段は有給の希望を押し殺し、どうしても有給が必要な場合はとても遠慮して取得することになります。このような職場で長く働き続けたい職員は多いとは言えません。

 二つ目は、人間関係の「濃密化」による職員のメンタル問題の懸念です。「平日のみの営業」では、毎日毎日同じ職員と顔を合わせます。人間関係でうまく行かないとき、ただでさえ、とても狭い事業所で苦手な人と毎日ずっと顔を合わせるのは辛いものです。

 三つ目は、特に「放デイのみ」の事業所について言えますが、「仕事がなさすぎる」点です。平日の営業は基本的には利用者が通室する14時までは職員は忙しく職務に追われることはまずありません。むしろ、仕事がなくて暇をもてあます職員さえいるのも事実ではないでしょうか。暇すぎる職場では、職員は自分の仕事に誇りをもったり、やりがいを感じるでしょうか。誇りなき仕事をずっと続けていきたいと思うでしょうか。放デイの職員は、学校の教員と比べると仕事量は半分以下だと個人的に私は感じています。(もちろん、全ての職員がそうと言っているわけではありません。)

 以上のように、「平日のみの営業」から「土日祝日営業」にシフトチェンジすると、職員の離職が進むのではなく、むしろ離職の予防に効果があることがわかります。経営的にも事業所の稼働率を上げて支給額を増やすことにつながりますし、土日祝日営業をするということは職員数を増やすということですので、苦手な人がいても大人数によってそれが和らげられますし。職員は有給の希望を出しやすくなります。経営者にとって、職員の急な退職に遭遇しても、元々の職員数が多ければ動じることはありません。

 放デイは「療育」が主たる目的です。しかし、厚生労働省も最近言い始めているように、家族をサポートする意味での「預かりの場」としての機能も大きく求められているのも事実です。地域に根ざし、地域とインクルーシブな姿勢で付き合うには「土日祝日営業」は社会のニーズにかなっているところとなります。

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