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ベトナム人②(支援のポイント②)

前編では、言葉、文化、基本的な生活環境といった、企業が満たすべきサポートの基本事項を概説しました。本稿(後編)では、そのサポートを土台として、ベトナム人従業員の長期定着、紛争予防、キャリアパスといった、企業にとって決定的に重要な要因に焦点を当てた高度な実行戦略を提供します。


1. 高度なコミュニケーション戦略と職場での問題解決

職場での誤解は、悪意からではなく、コミュニケーションやヒエラルキーに対する文化的な認識の違いから生じることが多いです。

A. 「はい」が「いいえ」や「自信がない」を意味する場合の対処法

前編でも触れたように、ベトナム人従業員は体面 (giữ thể diện) を保つために、上司に対し「いいえ」や「分かりません」と直接的に言うことを避ける傾向があります。これには、日本人管理者側からのより洗練されたコミュニケーションアプローチが必要です。

  • 必須の「チェックバック」の導入: 報告 (ホウレンソウ) を待つのではなく、重要な業務については確認プロセスを必須とします。例:「今日の午後4時に、作業結果の写真を送ってください。その際、最も起こりやすいミスは何かを説明してください。」これは、焦点を「失敗のチェック」から「リスクの軽減」へと移すものです。
  • 曖昧さの認知: 従業員が曖昧な「はい」と答えたり、視線を外したりした場合、指示を繰り返した上で、最悪のシナリオとしてどのような問題が起こり得るかを尋ねてみましょう。これにより、彼らが恥じることなく不確実性を表現できる安全な空間を作ります。

B. 厳格な業務ルールの運用

  • 厳格なスケジュール対柔軟性: ベトナム人スタッフは アウトプット や最終目標を重視する傾向がありますが、日本の職場環境はプロセスや時間管理(定刻、体系的な残業 zangyō)に非常に重きを置きます。
    • 戦略: 日本のタイムマネジメントやプロセスの背景にある論理的な理由を説明します(例:「5分の遅れが、後工程の同僚の作業を30分遅らせる原因になります」)。単なる遵守を求めるよりも、ルールを論理的な影響と関連付ける方が効果的です。

2. 長期的な経済的動機づけと法的保護の深化

高い金銭的動機づけがあるため、サポートは基本的な送金情報(前編で議論)を超え、長期的な安定へと移行する必要があります。

A. 税金と社会保障の教育

  • 義務の明確化: 所得税健康保険年金(義務的なもの)の違いと、給与から差し引かれる金額について明確に説明します。多くの外国人労働者は、控除額の大きさに驚くため、その長期的なメリットについても頻繁かつ明確に説明する必要があります。
  • 追納 (Tsuinō) へのサポート: もし従業員が国民年金や国民健康保険の未納履歴を持つ場合(永住権や帰化申請を妨げる可能性があります)、企業は追納のオプションを利用できるよう、年金事務所や市区町村役場への連絡を実務的に支援できます。これは非常に価値のある積極的なサポートです。

B. 詐欺および違法な借金からの保護

  • 経済的プレッシャー: 高い貯蓄意欲と初期の借金のため、ベトナム人スタッフは経済的プレッシャーにさらされやすく、高利貸しや、ビザの規定に反する副業に手を出すリスクがあります。
    • 戦略: 専門家(行政書士など)による違法な借金のリスクや、ビザのステータスで許容される副業の限界について説明する社内セミナーを実施します。会社が、経済的な困難に直面した場合でも安心して相談できる場所であることを確立します。

3. キャリア開発と在留資格パスウェイ

従業員が定着する鍵の一つは、会社が彼らの未来に投資していることを示すことです。ベトナム人スタッフは、どのように在留資格をアップグレードできるかについて明確さを求めています。

A. 在留資格の移行サポート

  • 技能実習から特定技能へ: 優秀な技能実習生 (Ginojisshūsei) が、特定技能 (Tokutei Ginō)技術・人文知識・国際業務のステータスに移行するための明確な道筋を提供します。
    • 戦略: 公式の業績評価を実施し、彼らが満たすべき基準(例:日本語能力試験 N4/N3の合格、技術認定の取得)を伝えます。この移行を円滑にするために、行政書士との連携を推奨します。

B. 永住権(PR)と帰化のビジョン

  • 長期的なビジョン: 長年日本に住み、家族がいる従業員は、永住権の取得帰化を目標としている場合があります。
    • 戦略: 会社がサポートできる重要な要件(例:税金/年金の未納がないこと、安定した収入の証明)について簡単なガイダンスを提供し、有能な専門家を紹介します。これは、会社が彼らの日本での将来にコミットしているというメッセージになります。

4. インクルーシブな文化の構築と家族の関与

統合の成功は、職場環境に留まらず、彼らの家族や社会生活にまで及びます。

A. 家族の関与とサポート

  • 家族への支援: 従業員が配偶者や子供を帯同している場合、学校登録、託児所サービス、役所での手続きに関する実用的な情報を提供します。家族が抱える困難は、従業員の集中力と安定性に直接影響します。
  • 家族向けイベント: ベトナム人従業員の配偶者や子供たちが交流できる、家族向けの会社イベントを定期的に開催します。これは、家族の孤立感を軽減し、社会的な絆を築くのに役立ちます。

B. 日本人スタッフを「味方」(アライ)にする

  • 受容から感謝へ: 日本人スタッフに異文化に対する「寛容」を求めるだけでなく、「感謝」に焦点を当てます。日本人スタッフに、ベトナムの食事、祝日、歴史について積極的に尋ねるよう促します。
  • 異文化メンター制度: 共感力と高いコミュニケーションスキルを持つ日本人スタッフをメンターとして割り当てます。このメンターは文化的ブリッジとして機能し、外国人従業員にとって奇妙に感じるかもしれない職場のルールの意図を解釈するのを助けます。

まとめ

ベトナム人従業員への効果的なサポートは、一度きりのタスクではなく、継続的な旅です。基本的なサポート(前編)から**高度な戦略(後編)**へと移行し、紛争解決、長期的な経済支援、そして明確なキャリアパスを提供することで、日本企業は異文化による課題を、競争上の優位性に変えることができます。

彼らの文化とキャリアの未来に対する投資は、エンゲージメント、定着率、そして企業の評判を大幅に向上させる最も効果的な方法です。彼らが大切にされていると感じれば、あなたの会社にとって最も貴重な財産となり、その可能性を最大限に引き出してくれるでしょう。

*インドネシア人①(イスラム教の礼拝に対する配慮) – 横山大輔行政書士事務所 (東京・新宿)

*インドネシア人②(イスラム教徒にとってのタブーを理解する) – 横山大輔行政書士事務所 (東京・新宿)

*インドネシア人③(イスラム教徒が食べられない食品) – 横山大輔行政書士事務所 (東京・新宿)

*ベトナム人①(支援のポイント①) – 横山大輔行政書士事務所 (東京・新宿)

*ベトナム人②(支援のポイント②)– 横山大輔行政書士事務所 (東京・新宿)

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