YOKOYAMA VISA OFFICE 東京・新宿 横山大輔行政書士事務所 外国人雇用 帰化 登録支援機関の申請・更新 外部監査人
横山大輔行政書士事務所 YOKOYAMA VISA SUPPORT OFFICE
【TEL: 090-1275-1188⇐WeChat微信, WhatsApp Available可以】

インドネシア人⑤(服装・身だしなみ)

日本において、身だしなみ—きちんと整った清潔な外見—は、プロ意識と規律の象徴であり、同僚、上司、顧客に対する**敬意(respect)**を示す不可欠な要素です。しかし、インドネシア人従業員にとって、この身だしななみという側面は、文化的な要因に加え、宗教上の義務(特にイスラム教)、そして熱帯気候の習慣と深く結びついています。

本記事は、日本人管理者向けに、高い身だしななみの基準(清潔感)を設定しつつ、従業員の文化的・宗教的信条に配慮する方法を包括的にガイドすることを目的としています。このギャップを埋めることは、従業員の**定着率向上(リテンション)**と調和のとれた生産性を確保するための重要な鍵となります。

1. 服装の基本原則:インドネシアと日本の職場文化の違い

インドネシアと日本の職場文化は、「フォーマル」および「適切」とされる外見について異なる視点を持っています。

側面インドネシアの基準(一般)日本の基準(職場)
色と模様かなり多様。特定の日には民族的な模様(バティック)や明るい色も一般的。シンプル、ニュートラル(黒、白、グレー、紺など)。模様は避ける。
柔軟性宗教的義務(肌を覆うこと)が守られていれば、アクセサリーや服装のスタイルには比較的柔軟。厳格。制服(ユニフォーム)は会社の規定通りに常に着用されなければならない。
最優先事項宗教的義務の履行(肌を覆うこと)。安全、清潔感(Seiketsu-kan)、チームの一体感(統一性)。

2. イスラム教徒の服装(ヒジャブ/ジルバブ):必須の配慮事項

インドネシア人女性従業員の大多数はイスラム教徒であり、ヒジャブ(スカーフ)の着用が義務付けられています。ヒジャブは宗教上の義務であり、ファッションの選択やアクセサリーではなく、公共の場や職場で脱ぐことはできません。この理解が極めて重要です。

A. オフィス環境におけるヒジャブのガイドライン(非製造業)

側面発生し得る問題点日本企業のための解決策と配慮
色と素材派手な柄や明るすぎる色のヒジャブは、日本の職場で非専門的と見なされる。基準:ニュートラルな単色。 ヒジャブの色を制服に合う黒、紺、グレー、白などの無地に限定するルールを設定します。光沢のある素材は避けるべきです。
着用スタイルヒジャブが長すぎたり、安全ピンやクリップが多用されたりする。基準:シンプルで安全に着用。 ヒジャブをシンプルなスタイルにすることを推奨し、**制服の襟の中に収める(tucked in)**ことで、より整然とした印象を与えます。ピンの使用は最小限に抑えるべきです。
制服身体のラインを強調する制服や、丈が短い制服は肌を覆う原則に反する。イスラム教徒の女性のために、袖が手首まである長袖で、丈が膝まである**ゆったりとした制服(loose fit)**を用意します。これは敬意を示し、不安を解消します。

B. 安全(Safety)とヒジャブ(工場・調理場)

安全と衛生(hygiene)が要求される工場、調理場、建設現場では、ヒジャブは日本の基準を満たすように修正されなければなりません。

  1. 安全ピンの使用禁止: 安全ピンは、食品(食品工場)や機械に落下すると重大な危険をもたらします。従業員には、**即着用できるヒジャブ(instant hijab)**や、紐で固定するタイプのヒジャブを義務付けます。
  2. 産業用ヒジャブの基準: 必要に応じて難燃性素材の専用ヒジャブを用意するか、着用しているヒジャブがヘルメットや帽子(ヘアネット)の下にしっかりと固定され、一本も髪の毛が出ないように徹底します。
  3. 防護具への配慮: ヒジャブがマスク(特にクリーンルームや調理場用)や保護メガネの機能に干渉しないことを確認します。

3. 男性従業員の身だしなみ:宗教的配慮の理解

イスラム教徒の男性従業員の場合、特にに関して宗教的な配慮が必要になる場合があります。

A. 髭と口髭 (Beard & Moustache)

  • 宗教上の問題: 一部のイスラム教徒にとって、髭を伸ばすことは**スンナ(預言者の慣習)**の一部です。髭を完全に剃ることを強制すると、内面的な葛藤を引き起こす可能性があります。
  • 配慮ある解決策: 会社は、髭や口髭がきれいに手入れされ(neatly trimmed、安全や衛生に支障をきたさない限り、着用を許可すべきです。
    • 衛生基準: 髭は常に清潔に保ち、工業環境でマスク着用を妨げないように短く整える必要があることを強調します。非常に厳格な衛生基準の工場では、最低限の短さに刈り込むよう交渉が必要になる場合があります。

B. タトゥー、アクセサリー、その他

  • アクセサリー: 一般的に日本の職場環境(特に男性)ではアクセサリーは禁止されていますが、これはイスラム教で男性の過度な装飾を控える原則とも一致します。
  • タトゥー: 宗教上、タトゥーに対する特定の禁止事項はありませんが、日本でのタトゥーの社会的背景を考慮し、制服で完全に隠すという明確な方針を設定すべきです。

4. パーソナルグルーミング:清潔感(Seiketsu-kan)の文化差を埋める

パーソナルグルーミングに関する問題は、しばしば気候や習慣の違いから生じます。

側面文化/気候の違いによる問題HRのための実務的な解決策
体臭・汗インドネシアは熱帯気候のため制汗剤の使用が一般的。しかし、日本での体臭への敏感さは非常に高い。非対立的な教育と推奨。 日本の体臭への敏感さを丁寧に教育します。制汗剤/デオドラントの使用が身だしなみの一部であることを強調します。
髪と爪日本の基準では、爪は常に短く清潔で、髪はきちんと整えられていることが求められる。厳格な基準の適用: 爪、髪、衛生に関する基準は、日本人スタッフとインドネシア人スタッフ全員に一律に適用します。これは衛生と安全のための普遍的なルールです。
香水インドネシア人スタッフ(男女問わず)は、香りの強い香水を使用することが多い。香水の使用制限: 「強すぎる香水は禁止」、または非常に控えめな香りだけを許可するルールを設定します。香りの強いものは日本の密集したオフィス環境では迷惑と見なされます。

5. HRの実務とコミュニケーション戦略

紛争や差別感情を避けるため、HRは身だしなみに関する問題を最大限の配慮をもって管理する必要があります。

A. インクルーシブな服装規定の作成

  1. 明確な文書化: **服装規定(Dress Code Policy)**を作成し、ヒジャブときれいに手入れされた髭に対する配慮(「宗教上の服装」として)を明記します。
  2. 安全の優先: 宗教上の服装と安全基準(工場など)が衝突する場合、安全が最優先されます。解決策は、服装の禁止ではなく、服装の適応(例:安全基準に適合したヒジャブへの変更)でなければなりません。
  3. 事前の相談: 面接時に候補者に制服の例を見せ、満たせない服装要件がないか直接尋ねる(例:長ズボンではなくスカートを履く必要があるかなど)。

B. 問題発生時のセンシティブな指導

身だしなみに問題(ヒジャブの乱れ、髭の不潔さ、体臭など)が生じた場合、指導は個人の人格ではなく、行為(行動)と解決策に焦点を当てる必要があります。

状況間違った指摘(対立的)正しい指摘(解決志向的)
ヒジャブが乱れている「あなたの外見はプロフェッショナルでなく、だらしない。」安全が最優先です。このヒジャブ/髭が乱れないように、また仕事の邪魔にならないように、当社の安全基準に合わせて整える方法を一緒に探しましょう。」
体臭がある「あなたは臭い/汗をかいている。それは他人の迷惑だ。」「日本の衛生基準は非常に高く、また気候も異なるため、デオドラントの使用を推奨します。これは全スタッフに適用される身だしななみの基準です。」

まとめ

日本企業にとって、身だしなみは信頼、清潔さ、敬意の基準です。一方、インドネシア人従業員にとって、この側面は信仰とアイデンティティにも関わります。

整えられたヒジャブときちんと刈り込まれた髭を許可するなど、宗教上の義務に配慮した服装規定を策定しつつ、譲れない日本の高い清潔感と安全基準をすべての人に適用することで、あなたの会社は従業員のアイデンティティを尊重しているというメッセージを発信できます。この柔軟性は、コンプライアンスを確保するだけでなく、高いロイヤルティと仕事への満足度を生み出し、インドネシア人従業員が日本での成功に完全に集中し、貢献できる基盤となるでしょう。

*インドネシア人①(イスラム教の礼拝に対する配慮) – 横山大輔行政書士事務所 (東京・新宿)

*インドネシア人②(イスラム教徒にとってのタブーを理解する) – 横山大輔行政書士事務所 (東京・新宿)

*インドネシア人③(イスラム教徒が食べられない食品) – 横山大輔行政書士事務所 (東京・新宿)

*インドネシア人④(イスラム教以外の宗教について)

*インドネシア人⑤(服装・身だしなみ)

*ベトナム人①(支援のポイント①) – 横山大輔行政書士事務所 (東京・新宿)

*ベトナム人②(支援のポイント②)– 横山大輔行政書士事務所 (東京・新宿)

相談料無料です。いつでもお気軽にお問合せください!

経営・管理ビザ – 横山大輔行政書士事務所 (東京・新宿)

高度専門職ビザ – 横山大輔行政書士事務所 (東京・新宿)

技術・人文知識・国際業務ビザ – 横山大輔行政書士事務所 (東京・新宿)

特定活動46号(日本の大学卒業者の就労ビザ) – 横山大輔行政書士事務所 (東京・新宿)

特定技能ビザ – 横山大輔行政書士事務所 (東京・新宿)

技能実習ビザ(外部監査人・入国後講習) – 横山大輔行政書士事務所 (東京・新宿)

特定活動ビザ – 横山大輔行政書士事務所 (東京・新宿)

配偶者ビザ – 横山大輔行政書士事務所 (東京・新宿)