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インドネシア人⑥(給与への意識・送金とキャリアプラン)

管理者向けガイド:インドネシア人従業員の金銭的動機、送金、およびパフォーマンスへの影響

はじめに:仕事の背後にあるミッションの理解

インドネシアから人材を採用する際、日本の企業は、ほとんどの労働者にとって来日は単なる就職ではなく、家族を支える**大きな使命(ミッション)であることを認識することが不可欠です。日本で得る賃金は、故郷にいる拡大家族(extended family)**を支える唯一の資金源となることが多いためです。

この金銭的プレッシャー道徳的責任を理解することが、長期的な**ロイヤルティ(定着)**を築き、従業員が最高のパフォーマンスを発揮できるようにするための基盤となります。

1. 主要な動機:家族への責任と「外貨獲得の英雄」

インドネシアにおいて、海外から送金する出稼ぎ労働者はしばしば**「パフラワン・デヴィサ (Pahlawan Devisa)」**(外貨獲得の英雄)と呼ばれます。この呼称は、彼らが背負う社会的な期待と責任の大きさを反映しています。

A. 広範囲にわたる家族への責任

インドネシア人スタッフが本国へ送金するお金は、配偶者や子供だけでなく、しばしば以下のような用途に使われます。

  1. 教育費: 弟妹、甥姪、その他の家族の学費。
  2. 医療費: 両親の治療費など、現地の保険では完全にカバーされないことが多い費用。
  3. インフラ: 家屋の改修、土地の購入、または故郷の家族のための小規模な事業設立。
  4. 借金返済: 日本に来るための費用(エージェント費用など)によって生じた家族の負債の返済。

B. 相対的な賃金の価値

インドネシア人従業員にとって、日本の基本給は東京の基準では低く見えるかもしれませんが、インドネシアの基準と比べると、その価値(ルピア換算)は何倍も高いものです。したがって、雇用の安定と一貫した勤務時間(残業を含む)は彼らにとって最優先事項となります。

2. 給与意識、送金、および財務管理

従業員の**手取り給与(net salary)**に対する認識と、送金プロセスは、彼らの精神的な健康に大きく影響します。

A. 送金(Remittance)プロセス

  • 頻度: ほとんどの従業員は、家族がそのスケジュールに依存しているため、給料日直後に毎月定期的に送金を行います。
  • 手取り額の明確化: 従業員は、給与明細に記載されている円の金額ではなく、家族が受け取るルピアの価値に焦点を当てています。HR管理者は、日本の社会保険や税金による控除について、透明性をもって繰り返し説明し、手取り額を見て不安にならないよう配慮する必要があります。
  • 給与遅延の影響: 給与の遅延や計算ミスは、彼らが家族の義務を果たす能力に直接影響するため、極度の不安を引き起こす可能性があります。

B. 支出に対する姿勢

送金を使命として来日しているインドネネシア人従業員は、非常に厳格な貯蓄と節約の習慣を持つ傾向があります。

  1. 低消費: 彼らは娯楽や贅沢品への不要な出費を避けがちです。
  2. 無断副業のリスク回避: 目標とする送金額に基本給だけでは不十分だと感じた場合、一部の従業員は(ビザの規定に反していても)違法な副業に誘惑される可能性があります。会社は、法的リスクを明確に説明し、構造化された残業といった合法的な代替手段を提供する必要があります。

3. 職場でのパフォーマンスへの動機づけの影響

彼らの金銭的な推進力を理解することで、日本の管理者はその動機をポジティブなパフォーマンスへと導くことができます。

労働の側面インドネシア人従業員の行動管理上の示唆
残業残業を歓迎することが多い。残業を避けるべき負担ではなく、送金額を増やす機会と見なす。公平な残業管理: 残業代が迅速かつ正確に支払われ、残業が公平かつ透明に配分されていることを確認する。
ロイヤルティと安定性仕事の安定性を提供する会社に対して非常に高いロイヤルティを示す。なぜなら、職を失うことは家族のミッションの失敗を意味するからである。長期的な投資: 公平な扱いは高い定着率を生む。拙速な解雇は避けるべき。
ストレスとコミュニケーション経済的ストレスや本国での家族の問題(病気、災害)は深刻な仕事上のストレスを引き起こす。彼らはこれらの個人的な問題を隠す傾向がある。管理者の配慮: 突然パフォーマンスが低下した場合、仕事の成果だけでなく、精神的な健康状態について共感的に尋ねる。

4. 長期定着のためのHR戦略

従業員の家族ミッションをサポートするHR戦略は、彼らの企業に対するロイヤルティを強化します。

A. 給与の透明性と事務サポート

  1. 手取り額の詳細説明: オリエンテーション中に、日本の社会保険、年金、所得税の仕組みと控除額について(通訳を用いて)徹底的に説明します。これは「お金が消えている」という不安を軽減します。
  2. 送金サポート: 安価で迅速な送金サービス(銀行または送金業者)に関する明確な情報を提供します。送金スピードは大きな付加価値となります。

B. キャリアパスと将来への支援

インドネシア人従業員は、単なるお金だけでなく、将来についても望んでいます。

  1. 特定技能(SSW)への移行パス: 技能実習生から特定技能ビザへの明確な移行パスを提供します。これは、会社の長期的な安定へのコミットメントを示します。
  2. 資格取得支援: 日本語能力試験(JLPT)や技術的な資格の取得に対するサポートや資金援助を行います。これらの資格は、彼らがインドネシアへ帰国した際のキャリアにおいて非常に価値が高くなります。

C. 家族の緊急事態への対応

家族の緊急事態(両親の重病など)に備えて、**無利子の小口緊急融資(Emergency Loan)**のポリシーを持つことを検討します。危機的状況で会社が支援する能力は、従業員からの計り知れないロイヤルティとして報われるでしょう。

まとめ

インドネシア人従業員にとって、日本での労働は、家族全体が関わる集団的な努力です。

彼らの役割を家族の主要な稼ぎ手(プロバイダー)であり、家族の英雄として尊重し、安定性、金銭的透明性、そして危機時のサポートを提供することで、日本企業はこの金銭的プレッシャーを強力なモチベーションの源に変えることができます。

この人間的な理解に投資する企業は、非常に忠実で、残業にも意欲的で、日本のビジネスの長期的な成功に完全にコミットする従業員を得ることができるでしょう。

*インドネシア人①(イスラム教の礼拝に対する配慮) – 横山大輔行政書士事務所 (東京・新宿)

*インドネシア人②(イスラム教徒にとってのタブーを理解する) – 横山大輔行政書士事務所 (東京・新宿)

*インドネシア人③(イスラム教徒が食べられない食品) – 横山大輔行政書士事務所 (東京・新宿)

*インドネシア人④(イスラム教以外の宗教について)

*インドネシア人⑤(服装・身だしなみ)

*インドネシア人⑥(給与への意識・送金とキャリアプラン)

*ベトナム人①(支援のポイント①) – 横山大輔行政書士事務所 (東京・新宿)

*ベトナム人②(支援のポイント②)– 横山大輔行政書士事務所 (東京・新宿)

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